マダニ!!
マダニは8本脚からなる節足動物で、一般に家の中に住むイエダニなどとは違って固い外皮に覆われ、大きさは吸血する前のもので約3~4mm(フタトゲチマダニの場合)あります。日本に分布するマダニのうち、フタトゲチマダニ、ヤマトマダニなどの種類が犬や猫に寄生します。
マダニの唯一の栄養源は、動物の血液です。幼ダニ・若ダニは発育・脱皮のため、成ダニは産卵のために吸血します。その吸血の際に、原虫やウイルス、リケッチア、細菌などさまざまな病原体を媒介することがあります。バベシア症やエールリヒア症などの代表的な感染症が知られています。貧血や発熱、アレルギー反応などを起こし、重篤な場合には死に至ることもある感染症です。
今回特にお知らせしたいのは、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)という病気です。ご存知の方も多いとは思いますが、ヒトがマダニに吸血されることによりSFTSウイルスに感染し、発熱や下痢、血小板減少などを起こして死に至ることもある恐ろしいウイルス感染症です。2013年に国内で初めてSFTSによる死亡者が確認されました。岐阜県でも抗体陽性野生動物やウイルス保有マダニが確認されています。草むらやアウトドアなどに出かける際には、長袖、長ズボン、帽子や虫よけスプレーなどでマダニ対策を行うことをお勧めします。
滴下タイプや錠剤タイプのお薬でワンちゃんや外出するネコちゃんのノミ、マダニ予防をすることは、動物たちを病気から守るとともに、飼い主様を守ることにつながります。詳しくは、当院スタッフまでご相談ください。